においがなによりのおかず



※下品注意。ヒント:自家発電



 本丸では当然ながら女性はだけである。衣類などはまとめて洗濯当番の刀剣男士が洗っているが、下着類はが自分で洗っている。いつも風呂上りに脱いだ分を洗っているのだが、今夜は何かが違った。
「あれ……パンツがない……?」
 脱衣所にまとめて置いておいた下着のうち、パンツだけがなくなっていた。どこか違う場所に置いたっけ、と一通り脱衣所内を探してみたが見当たらない。
(だれかが持ってった……とか)
 疑いたくはないが、まさかの事態が頭をよぎる。恋人の燭台切光忠の場合しか知らないが、性欲は人間と同じようにあるようなので、そのような事態も可能性がないわけではない。ただ、本当にそうなのかは自身信じられないが。
 いくら探しても見つからなかったので、その日のパンツ捜索は諦めて、パンツ以外の洗い物を済ませてから自室へと戻った。どこにいったんだろう、と思いながら布団を敷いていると、光忠がをたずねてきた。
「あれ、今日はお風呂上がるの遅かったんだね。それとも僕が早く来すぎちゃったかな」
「ううん、いつもと変わらないよ。ちょっとお風呂で……」
「何かあった?」
 光忠が何気なく問い返したが、は答えるのを少しためらってしまった。まだ誰かが持っていったと決まったわけではないので、今の段階で光忠に伝えるのはことを無駄に大きくしかねない。今から刀剣男士全員をたたき起こして持ち物検査をすると言い出してもおかしくない。だが、ここで答えないのも不自然だ。できるだけ光忠を刺激しないように言葉を選ぶ。
「うん……それが、私が今日着てた下着を洗おうとしたら、パンツだけ見当たらなくて……まあ、私がどこかに別の場所に置いただけかもしれないけど……」
 言い終わってから光忠の表情を見ると、彼は普段どおりだった。
「ああ、気付いちゃった? パンツなら僕が持ってるよ」
「………………はい? 光忠くんが、なんで?」
 光忠から返ってきた言葉が信じられず、裏返った声で彼に問い返した。光忠がの入浴中にパンツを持ち去ったということなのか。
「なんでって、使うからだよ」
「なにに……!?」
「やだなあ、自慰に決まってるだろ」
「じっ……」
 使う、という言葉が出てきた時点でいやな予感しかしていなかったが、まさか本当に光忠の口からそれを聞く羽目になるとは。というか、隠しているとはいえとは恋人同士なのに。二人でする行為と自家発電は別の話ということも理解しているが、こそこそパンツを盗む理由がわからない。
「本当は毎日エッチしたいけど、それじゃがつらいだけだし」
「う、うん……だからパンツとったの?」
「うん。のにおいが染みついたパンツが一番興奮するんだよね」
「や、やだよ汚い! どうせなら新しいパンツでしてよ!」
「ううん、一日着たあとのパンツじゃないとダメなんだ」
「え?」
 の言葉をやけに真剣な表情で否定する光忠。それに気圧されてが問い返すと、光忠はの両肩に手を置いて早口でまくし立てた。
「まずにおいがないとダメなんだ。が一日はいた後のパンツを思いっきり嗅いで汗とかのエッチなところのにおいを堪能して、それから僕の僕にパンツを擦り付けてするのが一番早くいくんだよ。わかるかい?」
「ごめん全然わからない」
「もちろん僕の僕の先端にクロッチ部分を擦り付けて精液を出すよ」
「ちょっ……やめてよ! もうそのパンツはけないじゃん!」
 光忠が自分のパンツを持ち去っていたことや、そのパンツで知りたくなかった事実の中でも最上級のものが飛び出た。つまりのパンツのクロッチ部分には光忠の精液がついているということではないか。
「え? 大丈夫だよ、心配しなくてもちゃんときれいに洗ってるよ」
「そういう問題じゃないの!」
のエッチな穴が当たってた場所に、僕の僕を擦り付けて出すのが最高なんだよね。それから、いっぱい出しちゃったなぁ、のパンツに精液染み付いちゃった、って思いながらパンツ洗うのも楽しいんだけど」
「や、やだ! すごくやだ! 今日のパンツ返して!」
 今まで光忠の自家発電に使われたパンツはもうしょうがないとして、今日のパンツはまだ無事のはずだ。それだけは死守しなければなるまいと光忠に返却を求める。だが、光忠は不満げだ。
「えー、明日使おうと思ってたのに」
「いやいや、元々私のパンツだよね? そこで光忠くんが不満そうにするのはおかしいから!」
「ええー、わかったよ。かわりに、の汗だくになったブラジャーがほしいな」
「は?」
「会議行った日に着てたシャツでもいいよ。腋の部分とかしゃぶりたいから」
「しゃぶ……いやだってば!」
「あ、そんなこと言ったら腋舐めたくなってきちゃった。今日は腋ぺろぺろさせて。あーでもお風呂入っちゃった後か。入る前にぺろぺろしたかったな」
「もう光忠くんの言ってること全然理解できない……とにかく、私の服とか下着を勝手に持っていくのはやめてよ」
「えー……でも、勝手に持っていくのは確かに悪かったよ。ごめんね」
 どんどんついていけなくなっていく光忠の性癖に頭痛を覚えてこめかみを揉んでいると、光忠がに抱きついてそのまま布団の上に押し倒した。突然のことに驚いて硬直していると、光忠はの寝間着を素早く乱していく。
「みっ、光忠く」
「こんな話してたから、僕もうギンギンだよ」
「ひゃっ」
 の太ももに擦り付けられた光忠の下腹部は、寝間着越しでもわかるほどに硬くなって熱を帯びていた。光忠は顔を赤くしたの頬に吸い付きながら腰を小刻みに動かしている。
「このままの太ももで一回抜いてもいいかな。一回太ももにかけてみたかったんだ」
「んっ、や、やだ」
「はあ……その嫌がってる顔、すっごく可愛い……大好きだよ、
「み、光忠くん……!」
 の拒否は先ほどの服と下着持ち去りの件しか聞いてもらえず、その日も結局光忠のいいようにされてしまった。


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