いけないおもちゃ


※お題箱より「大人のおもちゃをぐだ♀に試す王様」


 その日のキャスター・ギルガメッシュは様子がいつもと違っていた。ほんの少しだけ浮かれているというか、そわそわしているというか。わかりやすく例えるなら、遠足前日の小学生みたいな雰囲気だった。
 いつものように夜を共に過ごすために、マスターである少女の部屋にギルガメッシュを招き入れ、他愛もないことをしゃべりながら触れ合っていた。ちゅ、と音を立てながらお互いの顔やくちびるに吸い付き合う。口数は減り、徐々に甘い雰囲気が部屋に満ちていく。ギルガメッシュの手が少女の腰を意味ありげに撫で、それから力をこめて体を引き寄せる。自然と重なり合ったくちびるは、今度はリップ音だけではなくて唾液が混ざる音も一緒だ。

「ん……は、ん……ちゅ、っ……」

 キスもセックスも、日によってゆっくりだったり性急だったり気まぐれに変わる。大体は激しいものなのだが、今夜は時間をかけて楽しみたいらしい。舌を愛撫するギルガメッシュのそれは、じわじわと少女の口内を荒らし、深く侵入してくる。
 今夜はいつもと違う。少女はドキドキと心が逸るのを抑えきれなかった。

「んっ……王様、どうしたの? 今日はなんか違う感じがする……」
「そうか、貴様にはそう見えたか」

 くちびるを離したギルガメッシュが、おかしそうに口元を緩めた。貴様には、と言うが、誰が見てもギルガメッシュが上機嫌なのはわかるだろう。乳房を優しく愛撫される。いつもよりも数段柔らかい手つきに、少女は否が応にも体の熱を高められていく。
 身に着けていたカルデアの魔術礼装はいつの間にか剥ぎ取られていた。キスと胸への愛撫に意識を取られ、ほかのことなど考えられなかった。背中のホックを外され、弾けるように乳房がまろび出る。ツンと上を向いて立っている乳首は、今か今かと男の手を待ち望んでいる。

「は、んっ……王様っ……やっぱり、今日はへん、だよ……」

 コリコリと硬くなった乳首を手のひらで押しつぶされ、下腹部が疼いた。ゆっくりとした動きがじれったく、なおかつ手や指、舌の感触が余計にはっきりと伝わってくる。まだ下着に包まれた少女の秘所は、その下着を汚しかねないほど潤ってきている。

「そういう貴様はいつもより感じているな。ここがもう溶けているのではないか?」
「あっ……! ん、だめ……」
「だめ? こういう時になんと言えばよいか教えたはずだ」

 乳房を触っていた右手が少女の股間へと降りる。敏感な突起を撫で、割れ目のあたりを指でさすってくる。ギルガメッシュは、脚を閉じようとする少女を耳元で笑いながら両脚を押し広げる。

(あ……言わせたいんだ、私に……脱がせて、触ってほしいって……)

 黒いタイツに包まれた両脚は、汗をかいてしっとりとしていた。このままでは気持ち悪いし、なにより、服の上からではじれったい快感しか拾えない。

「王、様……私を裸にして、それから、いっぱい……えっちなこと、して、ください……」

 まだ行為が始まったばかりで、本能よりも理性が脳の割合を占める少女は、蚊の鳴くような声で懇願した。それでも、ちゃんとギルガメッシュの顔を見て、はっきりと言葉にしてねだったのだから、少女にしては頑張ったほうだ。
 ギルガメッシュと出会う前まで性行為についてなにも知らず、自分から男を誘うことなど考えられなかった。その少女が、脚を開いてギルガメッシュを誘っている。これも日頃の調教の成果だと思うと、ギルガメッシュは口元が緩むのを抑えきれなかった。

「随分と淫蕩になったものだ。我の調教が身を結んだな、マスターよ」

 タイツを引きずり下ろし、下着も片足から脱がせる。パンティが少女の左の足首に引っかかったままだったが、ギルガメッシュはそれに頓着せずに少女の脚をM字に広げた。あらわになった秘所を見つめると、満足そうに目を細める。

「ふむ、これならすぐにでも咥えられそうだな」
「えっ……そ、そんな、いきなり、だなんて……」
「期待するな、淫乱め。ところでマスター、先ほど我に訊いたな。今日はいつもと違うと」
「……? うん、訊いたけど……」
「なかなか鋭いではないか。貴様にはもう一段調教をせねばなるまいと思っていたのでな、今夜それを決行しようと考えていた。我としたことが、顔に出ていたようだな」
「ま、また調教……!?」

 思わず警戒する少女をよそに、ギルガメッシュは少女のベッドの下をごそごそと探った。ベッドの下からダンボール箱を引き寄せると、中から細長いプラスチックの紐上のもの──結束バンドを取り出した。
 結束バンドなんてなにに使うのかと首をかしげていると、少女の右手と右足首を結束バンドで留めたのだ。

「え、は? ちょ、王様!?」
「暴れると擦れて痛いぞ。痕をつけたくなければおとなしくしていろ」

 どうせすぐに暴れることになるのだからな。
 不穏さしかないつぶやきに、体の動きを止める以外に選択肢はなかった。大人しくなった少女の左手と左足首も同じように留めると、脚をM字に開いたまま仰向けに転がる以外、身動きが取れなくなった。

「王様……? これから、なにするの……?」
「そう不安がらずともよい。痛いことも苦しいこともせぬ」
「ほんと……?」
「本当だとも。貴様の大好きな、気持ちいいことしかせぬ」

 というと、またベッドの下のダンボール箱をあさった。ベッドの上に転がっているしかできない少女には、ギルガメッシュがなにをしているのかまったく見えない。ダンボール箱から目当てのものを取り出したギルガメッシュが、すぐに立ち上がった。その手に握られているものを見て、少女は目を剥いた。

「本来であれば、貴様に媚薬を盛った際に試したかったのだが、我のモノに近いサイズを探すのに手間取ってしまってな。まあ許せ」
「王様……それって、まさか」
「見てわかるだろう、バイブと言ったか。淫乱な貴様のためにほかにも色々揃えてやったぞ」

 ギルガメッシュの手に握られているのは、いわゆるバイブと呼ばれる大人の玩具であった。ギルガメッシュのイチモツのサイズよりも少し小さい。見た目がやけにリアルに作られており、ともすればグロテスクである。ほかにも、と言って取り出したのはローターやアナルビース、ギルガメッシュの持っているバイブよりも細いバイブなどが箱から出てきた。それらが一体なにに使われるかまったくわからない。できればこの先もわかりたくない。

「このあたりのものはおいおい使っていくとしよう。初めての玩具調教でこちらの穴は、いかな淫乱な貴様とて精神が追いつかんだろう」
「やっ、やだ! そんなところやだ!」
「安心するがいい、今夜はまだ使わん。まあ、じきに二本刺さってないと満足できん体になる。調教次第だが、貴様のような淫乱は後ろでも気をやるだろうよ」
「っ……そんなことっ……!」
「それはいい、今はコレだ。モノ欲しげにひくつきおって、今くれてやろう」
「ひゃうっ!?」

 ギルガメッシュは手にした太いバイブを少女の膣内に挿入した。そこは十分湿っていたので、いきなり入ってきた異物をすんなりと受け入れたが、なんの心の準備もしていなかった少女は目を白黒とさせた。

「や、やだあ、抜いて、こわいっ……」
「こわいものか」
「ん、ちゅっ……は、ん……王、様……」

 未知の道具に怯える少女をなだめるようにキスをするギルガメッシュ。少女の体から力が抜けていくと、くちびるを離して優しく頬を撫でた。

「貴様がこれからするべきことはただひとつ。果てる時は必ず我に宣言してから果てるのだぞ」
「え……? ひゃっ!?」

 なにを言っているのかと聞き返そうとしたその時、下腹部を突然快感が襲った。ギルガメッシュがバイブの電源を入れたのだ。

「やっ、やだぁ……あっ、なにこれ、やだよぉ……あん、んっ……!」

 ぐりぐりと容赦なく膣内部をかき回す太いバイブ。その様子を、ギルガメッシュは宝物庫から取り出した椅子に足を組んで座り、少女の目の前で凝視している。バイブのブブブという低い駆動音と、バイブが少女の膣を犯すぐちゅぐちゅという卑猥な音が部屋に充満する。

「んっ、やだ、こんなのやだぁ……ひ、んっ、王様……!」
「貴様がイった後で存分に犯してやる。ちゃんとイく時に高らかに声を上げるのだぞ」

 というと、宝物庫から酒を取り出して杯を傾け始めた。この男、少女が玩具に貫かれて苛まれている様を酒の肴にするつもりだ。信じられない、という目でギルガメッシュを睨むが、そんなものはどこ吹く風だ。

「その玩具にどこまで耐えられるか見物だな、マスターよ」
「んっ、こんなので、イったりなんか、あっ、あ〜っ」
「イったりなんか……なんだ? 続けよ」
「イったり、あん、なんか……! んんっ、はあっ……! なに、これぇ……あふぅっ……!」

 太い先端が中を擦る。その単調な動きは、ギルガメッシュの律動とは比べ物にならない。ならないはずなのに、そんなもので確実に性感を高められている。脚を閉じて耐えたくとも、両手と一緒に縛られて固定されているため、動かすことはできない。ただ甲高い声を上げてギルガメッシュに向かって脚を開き、玩具を咥えこんだ恥ずかしい部分を晒すしかできない。
 ギルガメッシュの視線が、じっくりと少女の恥ずかしい場所を見つめている。その視線が少女の羞恥心を煽り、ますます熱を高めていくのだ。

「やだぁっ、見ないで、んっ、王様、んん〜っ!」
「なにを言う、我の視線でも感じているのだろう? 貴様が果てる手助けをしてやっているのだ、感謝するがいい」
「あっ、やめ、て、見ないでぇっ……!」
「下の口から汁が滴り落ちているぞ。貴様のそこは誠、淫らよなあ」
「やだやだ、やぅっ、ああっ、イく、もう、イくぅっ……!」

 玩具の単調な動き──ともすれば容赦のない動きによって、少女はその白い肌を赤く染めて果てた。結束バンドで縛られた四肢を動かせる範囲で震わせ、絶頂の余韻に浸った。その震えによって、足の甲に引っかかっていたパンティが床に落ちた。
 これで、このバイブの責め苦から解放される。そう思って体をぐったりとさせていたのだが、男が椅子から立ち上がる気配はない。当然、止める者がいない玩具は動き続ける。絶頂後の体を情け容赦なくほじくられ、少女は切ない声を上げた。

「ああっ、だめ、イったばっかりなのに、だめぇっ、イった後は、だめなのぉ……! ああ〜っ!」

 絶頂後の敏感な体を絶え間なく刺激されて、少女は切なさに涙を流した。びくびくと勝手に快楽に反応する体が、少女の頭とは別の生き物になってしまった。こうなってはもう、狂うまで絶頂し続けるしかないのだ。

「王様あっ、もうイったから、私もう、あうっ、バイブでイったのぉ……!」
「そうだな、我のマスターは玩具に気をやったな」
「だから、もう、ううっ、止めて、これ止めてぇ」
「誰が一度で許してやると言った? まだだ、この程度では調教とは言わんぞ」
「なん、やあっ、なんで、んん、ンっ……!」
「我がここで見ていてやる、存分に楽しむがいい。とは言え、そのままではじきに慣れるか」

 ふむ、と頷いたギルガメッシュは、杯をテーブルに置くと魔杖をひとつ取り出した。少女の中を犯している玩具に魔杖を振るうと、玩具の動き方が変わった。

「ひゃああっ! な、に、いや、なんで、あうっ」

 ぐりぐりと円を描くような動きだったものが、意志を持ったかのようにピストン運動を始めた。今まで突いて欲しくても叶わなかった最奥を突かれ、少女は甲高い声を上げてよがる。

「気持ちいいか、マスターよ」
「あっ、やぁん、なにこれ、だめ、だめったらぁ、ああんっ」
「そうか、悦いか。魔術師の真似事もこんな使い方があるとはな」
「やだ、おく、突かないで、あんっ、そこ、はうっ、イっちゃうのぉ……!」

 自由にならない四肢をばたばたと動かして玩具の責め苦に耐えるが、ごつごつと最奥を突かれては微々たる抵抗だった。

「やだやだぁ、おうさま、イく、またイっちゃうぅ〜っ……!」
「まだ先ほどイってから五分と経っておらぬぞ。それほどまでに気に入ったか?」
「はあっ、はっ……あっ、やだ、だめ、またっ……!」
「当然だ、ソレは我が止めん限り動き続けるぞ」
「だめ、イったばっかり、は、だめえ〜っ! イくのぉっ、またイっちゃう……!」

 絶頂の後にも止まることなく動き続ける玩具。絶え間ない快楽に苛まれ、涙を流しながら首を仰け反らせる。休む間もなく連続でイかされ続け、少女は息も絶え絶えである。

「むりぃっ、も、ゆるして、あっ、あん、気持ちいいっ、こんなので、やだ、イきたく、あうっ、ないのにぃ……!」
「はっ、玩具相手に腰を振っておきながらなにを言うか」
「はうっ、振ってなんか、ない、はぁ、ああんっ、ゆるして、だめになる、んんっ、狂っちゃうぅ、またイくぅっ……!」

 何度目になるかわからない絶頂を、頭をシーツに擦り付けて耐え抜く少女。そんな少女を見て、おかしそうに目を細め、舌を酒で濡らすギルガメッシュ。その目はまだ足りないと言っているかのように、貪欲に少女の痴態を見つめている。



 あれから何時間たったのか、もう何度絶頂を迎えたのかわからない。ただひたすらに玩具から与えられる快感を追って腰を振り、高みまで昇りつめるだけ。少女の股間の下のシーツは愛液でぐっしょりと濡れて、失禁した後のように染みを作っている。いつからか閉じられていない少女の口の端からは涎が垂れ、振り乱した髪が数本そこに張り付いていた。疲れ果てて目を閉じて失神している間も、絶え間ないバイブの動きに感じてしまうのか、びくびくと体が動いていた。
 その様子を椅子から立ち上がり、間近で見下ろすギルガメッシュ。満足そうに笑みを浮かべると、少女の四肢を縛っていた結束バンドを取り払い、膣からバイブを抜いた。その衝撃で少女が目を開ける。

「あっ……? おう、さま……?」
「上出来だ。貴様の痴態、楽しませてもらったぞ」
「お、わり……?」
「ああ、もうコレの出番は終わりだ。さて……この後はどうするか、わかっているな?」
「おうさま、おうさまのおちんちん……!」

 ギルガメッシュが魔力で編んでいた服を霧散させ全裸になると、天を向いた肉棒が少女の目に入った。理性が焼き切れた少女は、それに飛びつくように手を伸ばした。すっかり充血して赤黒く脈打つ肉棒を愛おしげに両手で包む少女に、ギルガメッシュは喉を鳴らして笑った。

「コレが欲しいか?」
「ほしい……おちんちん、ナカにほしいの……」
「ならば準備を整えろ。貴様の中はすっかり出来上がっているが、我はそうではないのでな」

 少女の白い頬に肉棒を擦り付けると、少女はそれを迷いなく口に含んだ。普段、よっぽどのことがなければ少女からフェラをすることはない。こうやって理性が飛んで淫蕩にふけった後で、飛びつくようにして男の性器をしゃぶる。なにも知らなかった少女が、自分から嬉々として肉棒を咥える姿は、おかしくて、愛おしくてたまらなかった。

「は、ん……んっ、ちゅ、おうさま、気持ちいい……?」
「ああ、悪くない。マスターの口の中は狭くてなかなか具合が良い」
「はふ、ほんろ……? じゅる、ん……おっきい、おうさまのおちんちん、どんどんおっきくなっていくの……」
「つらいか?」
「うん……でも、がんばる……おうさまのおちんちん、おっきくて、かたくて、えっちで、すきなの……んっ、はあ……」
「もうコレなしでは満足できん体になってしまったか。まったく淫乱になったものよな……!」
「んんっ、んうっ、は、ふうっ……!」

 少女の小さい頭を掴んで思うままに腰を振る。喉の奥を突かれ、苦しさと顎の痛みに少女が苦悶の表情を浮かべる。喉の奥まで突き入れてもすべて収まりきらず、ギルガメッシュは少女の手で肉棒の根元を握らせた。苦しくてもギルガメッシュの性器に歯を立てないように顎を開き、激しい動きに涙を滲ませながらギルガメッシュを見上げている。その表情が股間を刺激する。ひときわ喉の奥を突いて、ギルガメッシュは精を放った。

「んん〜っ、はっ、はあ、ん……」

 ごくんと大量の精を飲み込んだ少女が、とろんとした目つきになる。精液の味──濃い魔力の味を知ってから、口の中に射精するといつもこんな表情になった。

「ん……おうさま、はやく、ナカに入れて、おちんちんいれて……」
「そう急かすな、ゆっくりと楽しもうではないか」
「ひゃああっ……ん、入って来る、あっ、ギル、さま、ぁ……」
「っ……この淫乱め、脚を……!」

 ギルガメッシュが肉棒をすべて収め切ると、少女は男の腰に脚を絡めた。まるで、やっと入ってきたギルガメッシュを離すまいとするかのような淫らな行動だった。ダイレクトに股間を刺激されたギルガメッシュが、激しく少女の中を蹂躙し始める。

「こんな男の誘い方、どこで覚えてきた……!」
「ひゃあっ、あっ、あう、どこでも、ないよぉ、あんっ、はげしっ……!」
「自ら本能的に、したというのか……!? 貴様はどこまで淫乱なのだ!」
「あああっ、やん、ぎ、る、ああっ……!」

 腰を掴んで激しく奥を責め立てられ、少女は再び髪を振り乱して嬌声を上げる。

「きもち、いいっ、あん、おく、気持ちいいのっ……!」
「先ほどまで玩具にイき狂っていたのに、まだ足りぬというのか……!」
「あん、だって、ギルさまの、おちんちんが好きなのっ、ギルさまで、イきたいのぉ……!」
「この好き物め……! よかろう、存分にコレでイけ!」
「あっ、ああっ、も、だめ、イ、く、あああぁ〜っ……!」

 ギルガメッシュが少女の性感帯を突き上げ続け、少女は甲高い声を上げて果てた。今度こそ限界を迎えたようで、痙攣する腰を除いてはぐったりと体を横たえて気を失ってしまった。その痙攣する膣内に肉棒を打ち付けて射精すると、ギルガメッシュも力を抜いて少女の上に覆いかぶさった。精を出し切った性器を抜く時も体が反応するのに対し、まぶたは重く降りて微動だにしなかった。少しやりすぎたか、と思いつつ、ギルガメッシュは今回の少女の乱れっぷりに大変満足していた。固く閉ざされたまぶたにキスを落とすと、情事の後始末をするために身を起こした。



「ほんっっとうに信じられない……」
「自分の淫乱ぶりがか?」
「ちがーーう! 王様の! 行動が理解できないって言ってるんです!」

 翌日。ハードすぎる玩具プレイに疲れ果ててしまったのか、少女は熱を出してしまった。熱が原因なのか、昨日の行為が響いているのか、またはそのどちらもか。体がずっしりと重く、ベッドから起き上がることもままならない上に、両手首と両足首にはくっきりと結束バンドの痕がついている。喉も枯れて痛いのに、ギルガメッシュのせいで大声を出すこととなり、さらに喉に痛みが走る。空咳をして声を潜めた。

「こ、こんなになるまで、えっちなことするなんて……!」
「よかっただろう? 我がマスターは玩具にまで腰を振る天性の淫乱ゆえ、毎度のセックスにも頭を悩ませている。貴様をどう満足させるかとな」
「絶っっ対に嘘だ……」

 少女が快楽に弱いことにかこつけて、調教という名の様々なプレイを楽しんでいるに違いない。現にギルガメッシュの顔に悩んでいる様子などない。これっぽっちもない。

「道具作成スキルまで使うなんて……ていうかスキルをこんなことに使わないでください。私は普通のえっちがしたいです……」
「はははこやつめ、昨日の今日でもうセックスがしたいと申すか」
「言ってない! そんなこと一言も言ってない!!」
「なに? ではもっと調教されたいと? まったく、貴様は本当に度し難い女よな。安心しろ、貴様の調教はまだ終わってない。これからも存分に調教してやるぞ、マ・ス・ター」
「ひいっ……! も、もう!しばらく王様は部屋に出入り禁止……! しばらくえっちしませんから!」

 ギルガメッシュの低いどエロボイスで囁かれ、ぞくぞくと腰から力が抜けていった。なにもしてないのに腰を軽く砕かれたことに恐怖を覚えた少女は、重い体を動かしてぐいぐいとギルガメッシュの体を押した。ギルガメッシュからしてみれば、抵抗にもなってない可愛いものだ。その手を取って軽く指を吸うと、少女の顔が面白いように赤く染まった。

「まあ、今回は多少やりすぎたようだからな。しばらく体を休めるがよい」
「え、は、はい……?」
「せいぜい我から逃げ回ってみせよ。いつまで耐えられるか見物だ」
「えっ……なんだろう、すごくこわい……」

 それからギルガメッシュはマスターの言葉通り、しばらくマスターの部屋を訪れなかった。身も心も調教されつつある少女がどんな行動を取ったのか、それはまた別の話。


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