いけないくすり


※お題箱より「淫語調教プレイ」



「はっ……ん、っ……!」

 ほんのりと明かりが灯った広い部屋の中、天蓋の付いた寝台に座った少女は、脚をぴったりと閉じて襲い来る衝動に抗っていた。体の奥からじりじりと火であぶられているかのように熱がこみあげ、全身にしっとりと汗をかいていた。本当は、今すぐ冷たいシャワーでも浴びて熱を冷ましたいところだが、動くと熱を帯びた下腹部に刺激が入ってしまう。ただ座っているだけでも快楽を求めて腰が動いてしまいそうになるのに、歩いてしまったらそれだけで達してしまうのではないか。それほどまでに、少女の性器は微細な刺激にも敏感に反応してしまう状態だった。この部屋の主である男によって、快楽を教え込まれてしまった体は、熱を発散したくてたまらないと悲鳴を上げている。

(もう、少し……王様が、来るから、もう少し、我慢……!)

 部屋の主──キャスターのギルガメッシュが部屋に帰ってくるまでの辛抱だと自分に言い聞かせ、自分で局部を触ってしまいそうになるのを必死でこらえる。自分で慰めている間に帰ってきて、そんなところを見られでもしたら、きっとひどい目に遭わされるに違いない。それに、ギルガメッシュならば、思う存分少女の中を穿って、この熱から解放してくれる。そう期待を込めて、少女は理性を焦がす熱と懸命に戦っていた。



 少女がなぜそんな状態になったのか。少女がギルガメッシュの部屋に来たところまで時をさかのぼる。

「きりのいいところまで仕事を進めてくる。貴様は先に我の部屋へ行け」

 と、今日も労働に精を出すギルガメッシュが残業宣言をして、少女は言う通りにギルガメッシュの部屋に向かった。

(なんか、すっかりカルデアの仕事を手伝わせちゃってるけど……いいのかなあ……)

 カルデアには先に召喚して働きまくっている英霊がいるので、その類まれな能力を借りることにはなんの問題もないのだが、それに慣れ切ってしまうことはまた別の問題である。ただ、ギルガメッシュ本人は好きで手を貸しているような節がある。今のところ害が起こっているわけでもないので、好きなようにさせているのだが。
 ギルガメッシュの部屋についたので、首を振って余計な考えを振り払った。とりあえず、今夜に備えてシャワーでも浴びることにしよう。
 と、部屋にあるソファセットのテーブルに、見慣れない小瓶が置いてあるのが目に入った。いつもはなにも置かれていないのにと、物珍しさに惹かれてその小瓶を手に取ってみる。
 大きさはちょうど少女の指の長さと同じくらい。透明なガラスは中の琥珀色をすかしている。ベッドサイドの淡いオレンジ色の明かりを受けて、琥珀が夕日色に揺らめいた。瓶の口はコルクが詰められており、鼻先を近づけて匂いを嗅いでみると、かすかに甘い香りがした。

(なんだろう……色と匂い的にシロップ、みたいな?)

 すんすん、と甘味に似た香りを嗅ぐ。メープルシロップみたいだと思った。そうすると、もうメープルシロップにしか見えなくなってくるから不思議である。

(王様の部屋にただのシロップが置かれてるってのはさすがに考えにくいけど……でも大事なものなら放置したりしないしなあ)

 最近はギルガメッシュの部屋で一晩過ごすことも増えてきて、マスターはこの部屋に実質フリーパスである。マスターが入る可能性がある部屋に、大事なものをこんな無造作に置いておくはずがない。しかも、中身が液体であることからすると消耗品。ギルガメッシュが宝物庫に放り込んでいる類のものなら、なおさら──
 ごくり、と喉が鳴った。
 中身が、非常に気になる。甘い香りといい、意味ありげにテーブルに置かれていたことといい、小瓶は少女の好奇心をこの上なくくすぐった。
 もしかして、ギルガメッシュはマスターにこれを飲めというつもりでテーブルに置いたのか。本人からは先に部屋へ行け、としか聞かされていない。テーブルに小瓶が置かれていることにすら触れなかった。
 このまま触らないで置いておくか、それとも、誘惑に従ってこれを飲むべきか。
 ごくり、と喉が鳴った。
 ギルガメッシュが戻ってくる気配はない。試しに、一口飲んでみようか。

(触っちゃだめなものなら、ここに放置したりしないよね……?)

 と、自分のこれからの行動を正当化するかのように言い聞かせると、コルク栓を外した。そして、その中身を、のどの奥へと流し込んだ。

(甘い)

 喉を通った液体は、予想通り甘かった。シロップのように喉を焼くような甘さとまではいかないが、女性が好きそうな、花の蜜のような甘味が口の中に広がった。
 飲んでみて五分ほど待ってみても、特に体に異常はない。単に、もっと時間を置かないと効果が出ないものかもしれないし、そもそも本当にただの甘味であったのかもしれない。なんの変化もないことに少しほっとしながら、マスターはテーブルに小瓶を置き、ベッドに腰かけた。ブーツを脱いで、ぺたんと脚を曲げて座る。

(あ……でも王様のものを勝手に飲んじゃったのは、怒られるよね……どうしよう……)

 ギルガメッシュがこの小瓶の存在に関してなにも言わなかったということは、これの存在を失念していたか、もしくは好きにしてもいいということが考えられる。あるいはわざとこれを意味ありげに置いて、こちらの反応をうかがっているか。どちらにしろ飲まれて困るようなものではない、と思いたい。

(怒られたら素直に謝ろう)

 小瓶を置いた本人がいないところで悩んでもしょうがない。少女は早々に考えに結論をつけて、ベッドに倒れこんだ。早く来ないかな、と思ったところで、そういえばシャワーを浴びるんだったと部屋に入る前に考えていたことを思い出した。寝転がって早々に、また身を起こす。

「っ、ん」

 再びベッドの端に腰かけた状態になると、あらぬ感覚が股の間を走った。ベッドが股間に触れた、ただそれだけのこと。それだけの衝撃で、普段は特になにも感じないはずなのに、今はどうしたことか。甘い痺れが走ったのだ。

「、あれ、なんか、へん」

 痺れが全身に行き渡った瞬間、体の中の熱を自覚する。じわりじわりと内部から沸きあがってくる熱。それは確かに、性感を呼び起こすもので。

「あ、つい……なにこれっ……!」

 立ち上がろうにも、股間が少し擦れただけで下腹部の奥が切なくなる。少し動こうとするだけでもこの有り様だ。とてもではないが、立ち上がって歩くなどできない。

(あ、まさか、さっきの)

 ひとりでに体がこんな状態になるはずがない。心当たりは先ほど飲みほした小瓶の中身だけだ。
 そうだ、ただのシロップがギルガメッシュの部屋に置いてあるはずがない。若返りの妙薬やらなんやら、怪しげな薬をたくさん持っている彼のこと、今回の小瓶の中身もおそらくは薬だ。それも媚薬と名の付く。

(ど、どうしよう、とにかく、はやく、おさまって……!)



 そして、今に至るというわけだ。
 対処法など少女にあるはずもなく、ただ体を動かさずに、焦がすような性感をひたすら耐えていた。ギルガメッシュが帰ってくるまでに、この波が収まればいいと思っていたが、収まるどころかどんどん膨れ上がっていく。耐え切れずに腰が動き、そのたびに微細な擦れによる快感を拾い、またじっと体をこわばらせるのだ。

「あつい、よお……あっ、んっ……」

 絶えず襲い来る快楽への誘惑と電流のような刺激とで、だんだんと理性が本能に支配されていく。じっとりと汗をかいた黒いタイツの下、ショーツはすでに汗以外のもので濡れ始めている。体の熱から逃れようと、恐る恐る腕を動かして、白い上着を脱いだ。脱いでいる間も、腰を寝台に押し付けては短く喘ぎ、また汗をかく。両脚もタイツが張り付きそうなほどに濡れている。

(どうしよう、タイツ、気持ち悪いから脱ぎたいけど)

 下半身を動かすこと。今の少女にとってはとてつもなくハードルが高い。少し動いただけでも理性を押し込めてしまいそうになるのに、タイツを脱ぐとなったらどうなってしまうのか。
 しかし、タイツが汗を吸って気持ち悪い。熱は収まる気配もないし、ここで脱いでおきたい。口内に溜まった唾を飲み込むと、少女はタイツに手をかけた。

「あっ……! ひ、ん……」

 股の間を通り過ぎると、秘裂がそれに敏感に反応した。秘裂から内部へ行き渡り、思わず腰が揺れた。そこを通り過ぎても油断はできなかった。汗で滑りが悪くなっているため、タイツと肌の間に強く親指を入れなければならない。肌に指とタイツが食い込む感触にも感じてしまい、足先からタイツを抜く頃には、汗でびっしょりだった。
 シャツも肌に貼り付いて、動くたびに布が擦れる。震える手を持ち上げてボタンをひとつひとつ外していく。ばさりと汗に濡れたシャツを寝台の下に落とした。

(いつもは、王様に脱がせてもらってる、から……なんか、変な感じ……)

 ギルガメッシュのことを思い浮かべると、その手つきやくちびるの動きもよみがえってきて、体がカッと熱くなった。

(おう、さま)

 耳をくすぐる低い声、肌を滑る大きな手、理性を溶かす舌先、くちびるは甘く吸い付き、歯はいたずらに噛みつく。そのすべてが、今は恋しくてしょうがない。

「ん、あ、王様、おうさまっ……」

 指先がいつのまにか股の間に伸びていた。ショーツの上から局部に指を這わせると、そこは下着越しでもしっとりとしている。ショーツを片手で下ろしながら直接突起を触ると、今までの比ではないほどの快感が走った。

「ひゃっ! あ、う、おうさまぁ……」

 突起を擦ると、強すぎる刺激に脚が自然と持ちあがる。びくびくと体がはね、まるで体が自分のものではなくなったかのように勝手に動く。それは指も同じことで、自分の意思とは関係なく、そこに指を押し付けてつぶしたり
、指先でコリコリと転がしたりする。そのたびに少女の口から甲高い声が漏れる。もう、快楽を我慢してじっと体を動かさなかった少女の面影はない。

「あ、ああ、あつ、い、ああっ」
「──ひとりで随分楽しそうではないか、マスター?」
「っ!?」

 低く室内に通った声で、はっと意識を取り戻す。目を凝らすと、ソファセットの傍らに部屋の主が立っていた。

「あ、王様、やだ、見ないで、ちがうの」
「どうした? 続けるがいい。ひとりで自分を慰めて、今にも気をやりそうにしていたではないか」
「や、やだ、ちがうの、」
「ここで我が見ていてやる。存分に楽しむがいい」

 これは、そこに置いてあった薬のせいで。
 そう弁解する間もなく、ギルガメッシュはソファに深く腰掛けてしまった。脚を組み、ひじ掛けに頬杖をついて、少女を見ている。少女はいつの間にか両膝を曲げてM字に開き、ちょうどギルガメッシュに局部がよく見えるような体勢になっていた。それに気づいた少女が脚を閉じようとするが、ギルガメッシュの厳しい視線がそれを許さない。

「や、やだ、見ないで、おうさまぁっ……!」
「ほう、しかし貴様の手と腰はしっかりと動いておるぞ? 体のほうがよほど正直者と見える」
「あ、や、なんで、あうっ」

 自分の指が勝手に動きを再開する。目の前で好きな男が自慰している姿を見ている。とんでもなく恥ずかしくて嫌なはずなのに、手と腰は動きを止めない。止めるどころかエスカレートしていく。突起を弄り続けてぐちゃぐちゃに溶けた割れ目の中に、右手の指が入っていく。

「あっ……! あ、ん、」
「中はどうなっている?」
「んっ、ぐちゃぐちゃ……」
「どうしてそうなった?」
「っ……、ここ、いじってた、から……んっ」
「ここ、とはなんだ。はっきり言わんとわからんぞ」
「えっ、やだ、そんなの……恥ずかしい……」
「ちゃんと言えば、褒美を取らせよう」
「ん、褒美……?」

 鸚鵡返しに問うと、ギルガメッシュはただ意味ありげな笑みを浮かべるだけだった。彼の言う褒美がなんなのかよくわからないが、褒美という言葉の響きに期待が膨らむ。この状態からも早く解放されたい。少女は、羞恥心を押し殺して、指を動かしながら口を開いた。

「く、クリトリス……ずっと、つぶしたり、コリコリしてて、んっ、すごく、濡れてるの……ん、はあっ……」

 その単語を口にすると、恥ずかしさで余計に熱が高まり、割れ目が一層濡れたような気がする。目を閉じていたせいでギルガメッシュの表情は見えなかったものの、低い笑い声が聞こえてきたことで、満足そうに笑っていることが想像できた。

「いい子だ。正直者には褒美をやらねばな」

 というと、ギルガメッシュは笑いをかみ殺しながら少女に近寄った。寝台の端で自慰にふける少女の両脚をつかんでさらに開かせると、脚の中心に顔を埋めた。

「ひゃっ! あっ、あうっ!」
「こんなに肥大するまでいじりおって」

 おかしそうにつぶやいたギルガメッシュは、舌先でその肥大した突起を押しつぶした。少女の指よりもはるかに容赦がない動きの舌で、クリトリスを剥かれ、そのまま転がされる。

「ああっ! やっ、だめ、おうさまあっ!」

 急激な快楽に腰がガクガクと震える。脚を閉じようとすると、ギルガメッシュの両手が強く押さえつけ、おとなしくしろと言わんばかりに舌先で一層責められる。ざらざらとした舌の感触が体で一番敏感なところを責め、さらにくちびるで吸われる。電流にも似た快感が腰から全身に駆け巡った。

「ひっ、あ、ああっ!」

 ギルガメッシュの肩に手をかけながら、少女は絶頂を迎えた。ギルガメッシュはあふれ出た愛液がついた口元をぬぐうと、立ち上がって荒い呼吸を繰り返す少女を見下ろした。

「もう気をやったか。今更だが貴様、アレを飲んだな」

 アレ、と背後にあるテーブルの上に乗っかっている空の小瓶を指す。

「う……ご、ごめんなさい……」
「ふん、アレは特に惜しいものでもないが……人のものに勝手に手をつけた貴様には、仕置きが必要だな」
「おしおき……?」
「今宵、我は貴様の口からねだったことしかせぬ」
「え……? わ、私の口から、ねだる……?」
「我になにかしてもらいたければ、はっきりと言葉にすることだ。先ほどのようにな」
「……!」

 先ほど、とは。おそらく少女が恥ずかしい部位を言わされた時のことだ。あんなふうに直接的なことを言わないと、ギルガメッシュは少女に対してなにもしないと言っているのだ。熱を帯びた体を持て余している状態でそのおしおきの内容は、少女にとっては究極の選択に近かった。普段なら恥ずかしくて絶対に口にできない単語を言わなければ、この火照った体に触れてもくれない。一度軽い絶頂を味わったものの、まだまだ体の火照りは収まりそうもない。これを鎮めるためには、やはりギルガメッシュに抱かれるしかないのに。

「や……そ、そんなの、できない、よ……」
「なにを言うか、先ほどできたであろう。今更できぬとは言わせんぞ」
「で、でも……! は、恥ずかしい……」
「ならば、貴様はそのままだ。我はそれでも一向に構わんがなぁ?」
「……! いじわるだ……!」

 ニヤニヤと見下ろす視線が、中途半端に脱いだ状態の少女を舐める。その無遠慮な視線にも体の熱を高められて、少女は指を再び股間へ伸ばした。

「ほう、また自分で慰めるか。いいぞ、どこまで我慢できるか見ものだな」
(……っ!)

 嘲るような声が降ってきて、少女は羞恥に耐えるようにぎゅっと目を閉じた。
 だって、なんて言ってねだればいいのかわからないのだ。今までは早く、とかお願い、だとか、そういう言葉でギルガメッシュは抱いてくれた。だが、今回はそういうぼかした言葉では一切動いてくれない。直接的な単語を言わなければ。

(恥ずかしい、けど……このままじゃ……)

 指で突起をつぶしても、中に指を入れても、男の太いモノで与えられる深い快楽を知ってしまっているから、どうしても満足できない。言うしか、道が残されていない。
 固く閉じていた目を開けると、少女は震える声を出した。

「ギル、様……お願いします、したい、したいの……! えっちしたい、抱いてよぉ……!」
「ほう? 具体的にはどうせよと?」
「っ……! そん、なの……」

 恥ずかしくて言えるわけがない。したい、と言うのも精一杯なのに。そう思ってギルガメッシュを見上げても、性悪な笑みを浮かべた男は微動だにしない。

「ふ、あ、ぎる、ギル様……」
「我の名を呼ぶだけではわからんぞ」
「……っ! お、おねがい、します、いっぱいキス、して、」
「ふむ、キスか」
「キス、と、胸揉んで、ちくびもいっぱい、いじって」
「それから?」
「それから、それから……ギルさまの、おちんちんで、いっぱい、イかせてほしい……」

 それを言葉にすると、カッと体が熱くなった。体の奥にこもる熱と、肌の下を走った羞恥の熱が、なにもかもを焼き尽くすような感覚。心までも異常に興奮して、秘裂が一層湿り気を帯びた気がした。
 興奮したのは少女だけではないようだった。男の宝石のような赤い瞳が情欲でぎらついたかと思うと、寝台に引き倒された。馬乗りになった男に、歯がぶつかるような勢いでくちびるをキスでふさがれる。

「は、ふ、ぅ……んっ……!」
「──いい子だ。存外下品な言葉が似合うではないか、マスターよ」
「んっ……言わないでぇ……」

 上顎をざらりと舐めたり歯列をなぞったり、ギルガメッシュの舌が忙しく少女の口内を這いまわる。激しいキスに集中している間に、ギルガメッシュの両手は中途半端に残った少女の服や下着を剥ぎ取り、一糸纏わぬ姿にする。まろび出た白い乳房を少女の要求どおりに揉み上げ、乳首をくりくりといじめると、口をふさがれた少女がぐぐもった声を上げた。

「ふむぅ……! んっ、はぁん……」

 じゅる、と少女の唾を飲み込んだギルガメッシュは、自分も魔力で編んだ服を取っ払い、天を向いた性器を少女の入り口に擦り付けた。

「あっ、すごい、あつい……はやく、はやく入れて、ギルさま……」
「そんなに欲しいか、これが。ならばどこに欲しいかちゃんと言え」
「んっ……いじわる……くちゅくちゅって、擦りつけてるのにぃ……!」
「そら、言わんとこのままだぞ」

 割れ目を肉棒の先端がなぞるたびに、ぬちゅ、くちゅ、と粘着質な音が立つ。ギルガメッシュのそれが帯びる熱は、間違いなく興奮の度合いを示しているのに、なぜこんなにも焦らすのか。恥ずかしい、けれど、言わなければ、餌を目の前に待てをされた犬のような生殺しが続く。

「おい腰を押し付けるな、この淫乱め! 欲しければ言え!」
「ううっ……わ、わたしの、えっちなおまんこに、ギル様のおちんちん、入れてぇ……!」

 再び羞恥の炎が少女の全身を駆け巡ったと同時に、ギルガメッシュの張り詰めたモノがぐちゅっと音を立てながら膣内に侵入してきた。

「ひゃああっ! あぁん、あつい、のぉ……!」
「入れただけで軽くイきおって……!」
「だって、だってぇ……! きもち、いっ、あうぅっ」
「あまり、締め付けるな、っ……!」

 媚薬の効果なのか、それとも少女とギルガメッシュがいつもより興奮しているだけなのか。少女にはギルガメッシュの剛直は煮えたぎった火かき棒のように感じ、また少女の中も男の精を搾り取ろうと熱く蠢いていた。ギルガメッシュは軽く果てた少女に覆いかぶさり、嬌声を上げる口に吸い付いた。片手は少女の体を押さえつけ、もう片方の手で乳房を激しく揉みしだく。ぷっくりと勃起した乳房の頂点をつまみ上げると、少女が喉の奥で悲鳴を上げた。

「んんっ、んふぅ、あっ、だ、めぇ〜〜っ! ちくび、きもちいいの、よすぎるのぉ……」
「はっ、大分素直になってきたではないか……!」
「きもちいいっ、おちんちん、きもちいいのっ……! あつくて、かたくて、おっきくて、えっちなの……」
「そんなにコレが好きか?」
「んっ、好きぃ、ぎるさまの、おちんちん、すきぃ……」
「この淫乱め! よい、素直に答えた褒美をやろう。貴様の好きな体勢で犯してやろうではないか」
「あんっ……ぎる、さまぁ……うしろから……わんわんのかっこで、いっぱい犯してください……」

 ギルガメッシュが性器を引き抜くと、きゅぽん、と吸い付くような音がした。浅ましい体の反応に、男の顔には嘲笑が浮かんでいる。しかし、男の激しい責め立てに理性が飛んだ少女は、それにはなにも感じなかったらしい。うつ伏せになって腰を突き上げ、行為の再開を待ち望む姿は、ふしだらとしか言いようがなかった。
 要求どおり、犬の交尾のように後ろから紅潮した肢体を貫かれ、少女は背をのけぞらせて歓喜の嬌声を上げた。

「ひゃうぅ、あっ、あん、おく、すごい、きもちいいっ」
「く、ぅ……また、勝手にイったな……!」
「おちんちんで、おく、ぐりぐりって、ごつごつって、ああん……! いいよぉ、おかしくなっちゃうよぉっ……!」
「はっ、すでにイき狂っているだろうが……!」

 ギルガメッシュの激しい突き上げに、寝台も少女の体も悲鳴を上げる。ぱた、とギルガメッシュの顔をつたった汗が少女の背に落ちるが、脳を膣内からの過ぎた快楽に支配され、それに気付くことなく髪を振り乱している。

「あ、ああ〜っ、や、もう、だめ、イく、すごいの、きちゃう、あああっ、ひゃあああぁっ」
「ぐぅっ……!」

 びくびくと腰を痙攣させた少女が、肘を折ってシーツに顔を埋めた。ギルガメッシュも、膣のきつい締め付けに従ってひときわ腰を押し付けて射精する。

「あ、ああ……中に、出てる……ギルさまのせーえき、いっぱい、なかに出てるぅ……」
「まったく……好奇心の強い貴様のこと、その辺りに置いておくと必ず手をつけると踏んで媚薬を放置してみたが……これほとまでとはな。快楽に従順な女はこれだから度し難い」
「だめ、だった……? いんらんなの、だめ……?」
「だめではないぞ、むしろよい傾向だ。ゆくゆくは我の視線だけで果てるまでに調教してやる」
「はぁい……」

 普段の少女ならば、いやそんなの有り得ない絶対むり、とでも突っ込むのだが。媚薬のせいで突っ込み力が著しく低下しているため、ただ従順に頷くだけだった。
 よしよし、と頭を撫でたギルガメッシュの手に擦り寄り、舌を出して手のひらを舐める。男が戯れに指を突き出せば、少女はそれを躊躇いなく口に含む。フェラをするようにじゅぽじゅぽと指をしゃぶっていると、膣内に収まったままの肉棒が再び芯を持つ。

「は、ふぅ……ぁん……おちんちん、またかたくなったよ……?」
「そのつもりで誘ったのであろう? 今宵は乾く暇などないと思え」
「はぅ、あん、あっ、ぎるさまの、えっちぃ……」

 再び始まった行為を止めるものなどいるはずもなく。文字通り朝まで行為にふけっていた。少女はまた「例の休暇」を取るはめになり、ご満悦のギルガメッシュとともに一日をベッドで過ごすこととなった。



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